カーティス音楽院、ピーボディ音楽院、イェール音楽院、クリーブランド音楽院、オバーリン音楽院、マンハッタン音楽学校、サンフランシスコ音楽院、ジュリアード音楽院などでマスタークラスを提供している。

ハンガリーのブダペストで生まれ、有名なリスト・フェレンツ音楽大学で音楽教育を受けたジェルジ・パウクは、同世代を代表するヴァイオリン奏者の 1 人として知られている。1961年にロンドンに定住する前に、彼はすでにジュネーブのパガニーニ国際コンクールで第1位、パリのロン＝ティボー国際コンクールでプレミア・グランプリ、ミュンヘンのソナタ・コンクールで第1位を獲得し、東ヨーロッパ中で数多くのコンサートを行っていた。

彼は1962 年にウィグモア・ホールでロンドンデビューを飾り、マスコミで傑出した評価を受けた。続いて、ロイヤル・フェスティバル・ホールで、ロリン・マゼールの指揮の下、ロンドン交響楽団と共演し、オーケストラデビューを果たした。彼はサー・ゲオルク・ショルティの招待で、シカゴ交響楽団と共演し、米国デビューを果たした。彼は 5つの大陸すべてで演奏したことがあり、年間平均90回のコンサートを行なっていた。一流オーケストラの大半と共演したことがあり、コラボレーションをした指揮者には、ハイティンク、ドラティ、バルビローリ、ショルティ、コンドラシン、ブーレーズ、ラトル、デュトワ、ロジェストヴェンスキー、ドホナーニ、コリン・デイヴィスなどがいる。彼は、エディンバラ国際フェスティバル、ルツェルン音楽祭、チェルトナム音楽祭、バース音楽祭、ハリウッドボウル音楽祭、ラヴィニア音楽祭、サンタフェ音楽祭、アスペン音楽祭、ドゥブロヴニク音楽祭、プラハの春の音楽祭などに出演した経験がある。彼は、アルバート・ホールの、ヘンリー・ウッド・プロムナード・コンサートのシーズンで定期的にソロ奏者を務め、彼の演奏はBBC では幾度となく放送された。

室内楽における彼の非常に豊富なレパートリーには、20 世紀のいくつかの傑作が含まれており、ルトスワフスキ、ペンデレツキ、シュニトケ、マックスウェル・デイヴィス、ティペットらのヴァイオリン協奏曲の世界初演や国内初演を、作曲家の指揮の下で行った。彼の数多くのグラモフォンによるリリース録音には、セシリア賞、グラミー賞ノミネーション、最優秀レコード賞などの受賞作品が含まれている。ジェルジ・パウクは、世界中で、最も真正なバルトークの解釈者及びバルトーク音楽の専門家の 1 人として見なされている。彼は 50 年以上の時を経て演壇から引退し、2008 年にブダペストでイヴァン・フィッシャーの指揮の下、ブダペスト祝祭管弦楽団と、最後のフェアウェル・コンサートを行なった。